2008年06月09日

[アキバ通り魔] 警察の不当職質に注意しよう

なかなかに身近で他人事とは思えない秋葉原の通り魔事件だか、自分や知人に被害がなかった以上、次に考えるべきはこの事件が自分にどんな影響を与えるのかだ。野次馬や探偵ごっこは不毛。

そんなわけで今自分が一番心配なのは、この事件をきっかけに警察の不法な職務質問や任意同行がますます横行するのではないか、ということだ。おそらく「なんだそれ?」という人も多いだろうから簡単に解説。

以前某漫画家が車のトランクにナイフを入れていたせいで銃刀法違反でつかまった。また秋葉原でオタク狩りと呼ばれる強盗事件があった。その頃から新宿・秋葉原を中心にかなり意味不明な職務質問をうけ、銃刀法違反でもなんでもないおもちゃのような刃物をもっていたという理由で数時間の尋問を受けた挙句書類送検されかかる、という経験をした人たちがいる。 「新宿 職質」とか「秋葉原 銃刀法」とか、そんな感じで検索すれば、そのせいでとても不愉快な目にあっている人がたくさんいることがすぐにわかる。

(↓↓追記 探してたサイトが見つかったので↓↓)
http://www.liberal-shirakawa.net/idea/policestate.html

ちなみに自分も西新宿で一度職務質問をされたこどある。時間に余裕もあったので素直に鞄の中をみせて事なきを得たが、実はポケットの中に入っていたキーチェーンにはキーホルダー代わりに刃渡り2センチほどのアーミーナイフ(十徳ナイフ)がついていた。もしそれを見せていたら、たぶん警察にしょっ引かれて指紋や身分証明などさせられていだろう。ちなみに今現在は、休日にはたいていアーミーナイフを持ち歩いている。食べ歩きが趣味なので外出先でケーキを切り分けたりすることもあるし、自転車の修理で工具として使う場合もある。法律的には何の違反もないはずのものだが、対応を誤るとこれも捕まる可能性がある。

幸い自分には断片的な知識はあるが、こんなもの言い掛かりやいちゃもんによる不当逮捕だ。そもそも普通の人は職務質問や任意同行がどういうものなのかも知らない。

はっきり言って今回のような通り魔殺人を防止することなど不可能に近いとしか言いようがないのだが、警察としても何かしらの対策を打ったというポーズは必要なので、自分は今後こういった「再発防止策」にかこつけた小役人の点数稼ぎが巷で横行する可能性は結構高いと見ている。特に新宿や秋葉原をウロウロしている人は要注意だ。それに備えて、この話のどこが問題なのか、もう一度まとめておきたいと思う。なお、僕は法律の素人なのでこの記事を鵜呑みにするのは避けたほうがいいだろうと忠告しておく。必ず根拠も併記するので、判断は自分で下してほしい。




まず、根本的な銃刀法の話から。ここで問題になるのは刃物を携帯する場合の制約だが、これは銃刀法第22条、および銃刀法施行令第9条があたる。

銃砲刀剣類所持等取締法

(刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)第22条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。


銃砲刀剣類所持等取締法施行令

(刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物で携帯が禁止されないもの)
第九条  法第二十二条 ただし書の政令で定める種類又は形状の刃物は、次の各号に掲げるものとする。 (省略)


若干の例外規定はあるが、要は刃渡り6センチ以下の刃物なら携帯してもいいってことだ。一般的にアウトドア用としてホイホイ売られているようなナイフであればほとんど問題になることはない。

なら、たかが2センチ程度のキーホルダーで捕まった人がいるのは何故か、というと、これは軽犯罪法第1条第2項の拡大解釈による。


軽犯罪法

第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
2.正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者


たったこれだけの条文。キーワードは「正当な理由」。警察に言わせれば「あれば便利」とか「何かで使うかも」なんてのは正当な理由ではないらしい。「先日使ってそのまま入れていた」なんてのは過失で言い訳にもならない。山の中や釣りでもやってる状況ならともかく、街中で刃物が「どうしても必要」なんてことがあるわけがないのだから、刃物が仕事に必要ない大半の人たちは、何を言っても言い逃れだと言われてしまえば説得などしようがないのである。

警察官が銃刀法に違反しない刃物の所持者を捕まえられる根拠はこれしかない。

したがって、これに対しては以下のような対策が考えられる。

「隠さない」
条文をよく読めばわかるが、軽犯罪法違反になるのは刃物を「隠して」いた場合だ。明らかに目に付く場所(≒すぐに武器として使用できる状態)であればなぜか罪にはならない。ナイフは専用ケースなどに入れてベルトなどに吊り下げておくべきだ。

「正当な理由を用意する」
刃物を持ち歩いている理由を聞かれたら、即答できる理由を用意しておこう。少しの逡巡もしてはならない。きっぱりと「これから高尾山にハイキングに行く」とか「荒川に釣りに行く」と答えよう。難しいなら「理由」も一緒に持ち歩けばいい。リンゴの一つもかばんに入れておけば「これを食うんだ」で済む。要はその刃物を持っていることが不自然でなければいいので、自転車用の携帯工具と一緒に袋に入れるとかでもいい。

「拒否する」
職務質問、任意同行はきっぱりと拒否だ。日本人は素直なのか、警察官に質問されると拒否できないと思っているようだが、日本の法律は戦中の憲兵隊の暴走などいろいろなことを反省して警察の権限をかなり厳しく制限している。

警察官職務執行法

(質問)第2条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。


職務質問に正当性があるのは上のケースに該当する場合のみで、実際のところ法を愚直に守ると、普通に道を歩いている人に職務質問することは不可能というぐらいの制約があるのだ。自分が職務質問をされそうになったら、自分が犯罪に関係すると「合理的に」判断できる理由を聞いてみるといい。答えられなければ拒否して素通りしよう。(このとき、間違って警察官にぶつかったりすると公務執行妨害で引っ張られる理由になるかもしれないので注意。オウム信者の別件逮捕に散々使われた手だしね)

それでも間が悪く近所で引ったくりがあった、とか指名手配中の犯人に似ているとか、言いわけがたつ場合もある。カバンをちょっと見せる程度のことは必要なこともあるかもしれないが、もし刃物を持っていたなら警察官の「刃物とか持ってないですよね〜?」なんて軽い口調の質問に答えてはいけない。これは「こんなのはある」と出せばそれが軽犯罪法違反、「ない」と答えて見つかってしまっら完全アウトという、詰んだ質問だ。「自分で確認したら?」などと答えるか、聞こえなかったフリして無視しよう。

「持ち歩かない」
実際特にこだわりがないのであればこれが一番だ。実際に捕まった体験談のほとんどは自分の何が悪いのかも把握できてなかった人たち。上のような危険があるということを認識したら、素直に持ち歩かないという手もある。ただし、カッターナイフやはさみでも裸で持ち歩いていると言い掛かりをつけるもとになる。注意しよう。


僕は日本の警察はなんだかんだ言って優秀だと思っているし感謝もしているが、こういった民衆の無知を利用して著しい権限の逸脱を図るような一部の馬鹿には極大の嫌悪感を覚える。いい加減、日本でもミランダ法が導入されないかと本気で思っている。

皆さんがこんなくだらない、不愉快な目にあわないことを祈ります。
posted by VOT at 22:39| 東京 ☔| Comment(57) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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